藤本伸一氏の真空管パワーアンプ部品セットによるパワーアンプの製作


6BM8p-pパワーアンプ

6BM8という真空管は、もう35年以上も前から、使っている。中高生の頃、シングルアンプを作ったし、結婚してからも、6BM8p-pのパワーアンプを作っている。これは、20年ぐらい前に製作し、今でも使っている。
それほどに、愛着のある真空管であると思う、価格は安いし、ほどほどの性能を持っていて、かなり音もいい。
国内で真空管の製造をしなくなってから、もう真空管アンプは作れないと、思っていたところ、藤本伸一氏のホームページでパワーアンプの部品セット販売の記事を見て。メラメラと制作意欲がわいてきたのである。
かんじんの真空管はというと、ロシア製である。
トランスも有名な山水とかタンゴとかのトランスは手に入らず。ノグチトランスというメーカーである。
どんな音が出るか? 楽しみである。


2003年7月5日
体調がいまいち良くないが、製作に取り掛かることにした。

デザインの変更( 下の写真がもともとのデザインです )


変更後のデザイン
@パワートランスを中央にもってくる ( 重量的に中央がいいと思う )
Aボリュームは裏面に配置する ( コントロールアンプで制御するので前面でなくてもよい )
B電源コンセントを裏面につける ( オリジナルでは無いがコンセントは幾つあっても困らないので取り付ける )

正面


背面 ( 左から、入力端子、入力ボリューム、スピーカー端子、電源コンセント、ヒューズ )



さっそく製作

部品セットの内容

後ろに、シャーシー、電源トランス、出力トランス、チョークコイル、
手前はコンデンサー、抵抗、ボリューム、端子類、
右手前にあるのがロシア製の真空管である。



ロシア・SOVTEK の真空管

@ アルミシャーシーに型紙を貼り付け、センターポンチで穴あけ箇所に印をつける。

A 充電ドライバーで、指定の穴を開ける。

B 真空管ソケットは20mmなので、リーマーを使う( 10mm以上はリーマーを使う )

Cパワートランスはかなり大きい長方形の穴を開ける、2mmのドリルで点線状の穴を開け、金鋸などで切断する。




Dアルミ専用スプレー塗料でシャーシーを塗装する。( シルバーメタリックで塗装しました )


E軽い部品から取り付ける

F重い部品を取り付ける ( トランス、出力トランスはキズにならないようにカバーをする )

Hリード線の配線


I電気部品の配線


最後に外観にチョット工夫を

シャーシーの両サイドにラワン材のデコレートパネル取り付ける。

高級感が出たかな?・・・(^^♪






回路の変更



上の回路図が、標準回路です。
左下の回路図のように、カソードに、コンデンサーをつけ交流的にバイパスします。
NFBは100Ωにかけます。変更された定数は左のとおりです。
カソード抵抗に100Ωを直列に挿入し、2.2kΩに並列に100μFのバイパスコンデンサーを追加NFBを1kΩにして、並列に1000PFを入れる。

色々、改良して現在は下のようになっています。

回路図エディタ(BSch3V)で作成


測定結果


測定中の状態

アンプの測定には、8Ωのダミー抵抗を、スピーカーの出力端子に負荷抵抗として接続します。
矩形波の写真は、5w時における場合の波形ですが、多少のオーバーシュートが見られましたが、中和コンデンサーにより理想的な特性が得られました。
周波数特性も20Hzから100kHzまで-2dB以内に収まっています。
ヒアリング・テストにも実際まったく余裕のある分離の良い低音、音抜けの良く非常に繊細な高音、電源ハムも、ほとんど聞こえず、スピーカーに耳をつけて聞いても、電源の入っていることもわからないほどの静かさで安定しています。

矩形波の出力特性

矩形波を入力するとオーバーシュートが見られた

1kHzの矩形波 ( オーバーシュートが見られる )

1kHzの矩形波 NFB抵抗に1000PFのコンデンサーを追加。

10kHzの矩形波

10kHzの矩形波 同じくコンデンサー追加後

周波数特性



最大出力 11w+11w
残留ノイズ 0.5mV以下
周波数特性 20Hz〜20kHz ( ±0dB )
入力電圧 1.5V
NFB 12dB

定数の変更


1KHzの矩形波を入力するとオーバーシュート気味の波形になる。
NFBに並列に中和コンデンサーを追加する。 カット・アンド・トライで1000PFのコンデンサーをつけました。

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